2009年05月04日
09.05.04 Jリーグ第10節前日 フィンケ監督
09.05.04 Jリーグ第10節前日 フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 2009シーズンJリーグ第10節柏レイソル戦 前日のコメント
「連戦が続いているため、2日しか間はありませんでしたし、いつものように戦術的なことをトレーニングするわけにもいきませんので、主に回復にあてました。今の状況ですと、どのくらいの選手たちが次の試合に出場できるのか、ケガを抱えているのかがとても大切なことになってきます。現時点では、ポンテが次の試合に出場できるか分からない状況です。ケガのために、今日も完全に体のケアにあてましたし、今日の外でのジョギングにも参加できませんでしたから。
しかし、選手たちの疲労度については、あまり多くは語りたくありません。なぜなら、対戦する相手チームの選手たちも同じように疲れているはずだからです。
大切なのは、私たちが高い集中力をもって試合に臨むことです。もしかしたら、相手チームのフランサと再会を果たすことができるかもしれません。彼はドイツ・ブンデスリーガでずっとレギュラーとして活躍していたわけではありませんが、ある一定の期間、優れたパフォーマンスを見せていたときがありました」
(ポンテのケガについては?)
「たくさんの負荷がかかっていましたので、筋肉の問題がありました。疲労がたまっていますし、昨日は問題なくサイクリングに出ることができましたが、今日は完全に体のケアにあてました。外に出てトレーニングをこなすような状態になかったことは事実です。(負傷の場所は)下半身であることは間違いありませんが、それが利き足なのか逆の足かは、そういうことに関しては今ここでお話しすることはできません。唯一言えることは、筋肉の強い張りがあって痛みを感じているということです」
(今季、ポンテが先発出場しない試合はなかったが、出場できないとなるとどうするのか?)
「そのような質問をする意図は十分、分かりますが、ここでは私の考えも理解していただきたいです。戦術的なことなので、今、公の場でお話しすることはできません。万が一、彼が試合に出場することができなかったとしても、私たちのチームにはそのポジションでプレーできるたくさんの選手がいます。もちろん、ここで名前を言うのは簡単ですが、明日の新聞で、選手たちが『監督が自分の名前を言っていた』あるいは『言っていなかった』ということを見てしまうのは、よくないことだと思います。起用されるかされないかは、私の口から直接伝えられるべきだと思います。
私からメディアの皆さんへのお願いですが、戦術的なことに関して多くは語れないということはご理解いただきたいです。それと、とても若い選手がメディアに向けて多くのことを語りすぎてしまうのはよくないということも理解してもらいたいです。私は彼らの成長を考えなくてはいけませんが、今までの経験からすると、例えばドイツでも18歳の頃に優れたパフォーマンスを見せて、ものすごく大きくメディアで扱われた選手がいました。しかし彼のことは、その後一切聞かなくなってしまいました。なぜなら、本人が勘違いしてしまって、長い間輝くことができる選手にはなれなかったからです。このようなケースが、この国で起きないことを私は願っています。ですので、私たちのチームに所属しているとても若い選手たちが、今後もあまりメディアの方と多くはお話しできないということは理解してください。これは、私からメディアの皆さんに対してのお願いです。一部のメディアが、なぜこのように早く数人の選手を煽ってしまうのか、スターにしようとするのか、私は驚いています。ドイツでのいろいろな統計を見ますと、一時的に輝いてその後にまったくプロのレベルでは活躍できなかった選手の方が、そうではない選手よりも圧倒的に多いのです。私としては、そのようなことがないように、気を付けなくてはなりません。私たちのチームに所属している17歳、18歳の選手たち、彼らの選手としてのキャリアのハイライトが今にならないように、皆さんと一緒に考えて、私は責任を持った行動を取りたいと思います。
また、一部のメディアでは、私がこのクラブの監督として取材規制をしているという記事がありましたが、そういった事実はありません。私はそのようなことをさせようとしたことはありませんので、それが事実ではないことは、この場ではっきりさせたいと思います。一部のメディアの取材の規制、あるいは彼らが望まないことを私がするということではなく、大切なのは選手たちがしっかりと成長していくことであり、そのための環境を整えることです。(日本語で)ショウガナイ(苦笑)」
(山田直、原口ら試合に先発出場している選手とは別に、他の若手選手たちが台頭していくために必要なのは何か?)
「ここで若手の個々の選手の課題に関して具体的なことをお話しすることはできませんし、全選手が同じ状況にあるわけではありません。それに、必ず解決に至るレシピを持っているわけでもありあません。ただ、大切なのは、彼らはまだまだ成長の途中であって、今後チームのために価値のある仕事をできる選手になるかどうか、まだ分からない状況にあります。そのような選手になるために、彼らは毎日の努力をしています。
もちろん、トレーニングやチームの成長によって彼らはいろいろな刺激を受けることになるでしょうし、彼らの将来のためになるような話をコーチングスタッフから聞くこともできるでしょう。忘れてはならないのは、優れた選手になるためには、いろいろな方法があるということです。場合によっては、ほかのクラブへレンタル移籍するということも一つの案でしょう。
先日、日本サッカー協会主催のU-20代表トレーニングキャンプがありました。このキャンプで、彼らは大学生チームとトレーニングマッチを行ない、引き分けました。これが、現在の若手の実力なのかもしれません。キャンプには実際にJリーグの試合にも出ている選手たちが多くいましたが、にもかかわらず、U-20の選手たちだけでは大学生チームにも引き分けるという結果しか残すことができていません。ですから、Jリーグの試合でも、若手の選手を同時に2、3人以上試合に使うことは、もしかすると、実力的にはまだそこまでできないという段階なのかもしれません」
(若手に経験を積ませるためのローテーションについては?)
「すべての試合で、あるいは必ず今後も、とお約束することはできませんが、6人のフィールドプレーヤーの交代枠のうち、1人あるいは2人をローテーションするという考えはあります。ただし、大切なのは毎日のトレーニングで選手たちがどのような印象を与えるかです」
(若手の話が続いたので監督自身のことをお聞きしたいのだが、普段の生活や趣味などは?)
「監督というのは公の場に出ていく仕事ですから、顔も知られてしまいます。それでもやはり、日本に来てからもドイツにいたときと同じように、ある程度は私生活は守られなければいけないものだと思っています。
ここで言えることとしては、私は喜びをもって映画館に行きます。あるいは、劇を見に劇場に行ったり、サイクリングを楽しんだり、そういったことを好んでやっています。東京にも静かな時を過ごすことができる空間がたくさんあることも知っていますし、ご存知かもしれませんが、私は静かなところを好みます。昨日も映画を見に行きました。スラム街出身のあるインド人が最終的に億万長者になるというストーリーです。この映画については、いろんな意見や批判があることも知っていますが、私にはとても興味深い映画でしたし、とても考えさせられることの多い映画でした。必ずドイツ語とはまでは言いませんが、できれば英語もしくはフランス語で見ることのできる映画を選んでいます。でないと、理解できませんから(笑)。そこに字幕で日本語があれば、素晴らしいことです。私も努力して日本語を読もうとしています。オスカーを取った『おくりびと』、英語では『Departure』というタイトルでしたが、この素晴らしい映画も私は興味深く見ました。音声はもちろん日本語でしたが、英語の字幕がついていましたので、内容もしっかり理解することができました。日本というのは、私にとってはまだまだ未知のところがたくさんある国ですけれど、映画を見たりさまざまな本を読むことで、この国のことを少し理解することはできてきているのではないかと思っています。もしかしたら、サッカーの方が簡単かもしれませんが(笑)」
(今日のトップのメンバーは回復メニューのみだったが、試合前日にボールを触らないままで、選手が不安を覚えたりはしないのか?)
「明日の朝、選手たちはスパイクを履きます」
(ブンデスリーガ時代にも、こういった調整スケジュールを取っていた?)
「チームの状況によると思います。もしここのチームの試合に出場した選手の平均年齢が22歳であれば、今日もピッチに出て普通にトレーニングしていたでしょう。若い選手の方が早く回復できるからです。しかし、試合に出ている多くの選手の年齢が28から33歳のチームの場合、公式戦の2日後にまたピッチに立って厳しいトレーニングをするのはナンセンスです。ですので、今日のトレーニングを完全に回復にあてました」
(柏レイソルの印象は?)
「柏レイソルのここ2試合はすべてDVDで確認しました。Jリーグには多い、とても運動量豊富なチームだと思います。すべての選手がしっかりとチームのために走っている。そして、とても早く切り替えることができ、長い距離を走ることができる選手もたくさんいます。そこにプラスアルファとして、3、4名の非常に優れた個人の力を持ったプレーヤーがいる。そういうチームだと思います」
(明日はこどもの日だが、監督から子供たちへメッセージは?)
「世界中を見渡しても言えることですが、サッカーというスポーツは子供たちに大きな喜びを与えることのできるスポーツだと思います。サッカーは人種、国籍など関係なく、みんなで楽しめることができ、それはとても素晴らしいことだと思います。ある意味では、サッカーは世界の共通語だと思っています。例えば、両親の仕事の関係で、まったく違う国に引っ越さなければならなくなった子供たちがいます。通常は、現地でさまざまなスポーツなどを行なうことで、子供たちは新しい友だちができたりするものですが、その中でも、サッカーを通して、子供たちは男女の別なく、新しい友好関係を作り、友だちができていくものです。言葉も文化も違うところに行って現地になじむには、サッカーをするのが一番早いのではないかと思います。昨日の闘莉王のファンサービスのように、クラブとして子供たちにサッカーの喜びを伝えるような機会があることは、とてもいいことだと思います。明日、こどもの日に私たちがサッカーを通して喜びを与えられることができればと思っています」
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