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2009年05月24日

09.05.23 Jリーグ第13節前日 フィンケ監督

09.05.23 Jリーグ第13節前日 フィンケ監督

フォルカー・フィンケ監督 2009シーズンJリーグ第13節大宮アルディージャ戦 前日のコメント

「今週はアウェイでの試合、しかも現地で後泊をしなくてはいけなかったので、今日やっとゲーム形式のトレーニングができたという状況です。そのため、私にとっては非常に短い週だったという印象です。
次の試合は、今までのケガ人に加えて山田直輝が出場停止ですし、前回の試合でケガをした堀之内聖も出場できません。ですから、通常のメンバーをさらに入れ代えて、次の試合に臨むことになります。しかし、だからといって、悪い結果が出たときの言い訳にするつもりは一切ありません。
帯同することになるメンバーでできる限りいい結果を残したいと思います。
現在、このような状況ですから、完全なフルメンバーで公式戦に臨むことはできませんが、どのチームでも長いシーズンの間には必ず一度は、ケガ人や出場停止によって多くの選手を入れ代えなくてはいけないという時期が来ます。
私たちは今ちょうどその時期に入るわけですが、これから3~4週間もすれば、代表選手も戻ってきますし、田中達也や平川のような選手たちが試合に出られる状態になると思います。今が厳しい状況にあることは確かですが、明日の試合はできる限りいい結果を、できれば勝ち点3を収めたいと思います。
あと3週間ほどずれば、ポンテも試合に出場できるようになるかもしれませんし、非常に厳しい状況にあることは間違いありませんが、残っているメンバーを信用し、しっかりとした仕事をして、試合に臨みたいです」

(次節はダービーマッチ。監督はフライブルク時代にはVfBシュツットガルトとのダービーマッチを経験している。両者の力関係を考えると、フライブルクがシュツットガルトに挑戦するという図式だったと思われるが、浦和レッズ対大宮アルディージャでは、挑戦される方になるのでは?)
「今年に関しては、比較はできないかと思います。なぜなら、確かに年間予算や観客数、チームに投資できる金額を考えると、長年に渡って浦和の方が大宮よりも優れていたということは聞いています。ドイツでもシュツットガルトの方が私たちより規模は大きかったですし、どの試合でもシュツットガルトの方が強いチームをピッチに送っていたかもしれません。しかし、私たちは長い間ダービーで彼らから勝利を収めることができていました。記憶が正しければ、3年間にわたってホームでもアウェイでも勝利を収めています。ですから、ダービーでは本命視されているチームが必ず勝てるというわけではありません。そして、今年の私たちの場合を考えると、何人かの主力選手を手放していますし、高い金額を支払って新しい選手を獲得してきたわけではありません。今年はさまざまな改革を行なっている年ですから、その意味では、年間予算や観客数を比較して単純にこちらが本命であちらがチャレンジャーということは言えないと思います」
(ドイツで有名なダービーは?)
「本当の意味でダービーと言えるものと、いくつかの作りあげられたダービーがありました。
フライブルクに関していえば、シュツットガルト以外にもカールスルーエとのダービーがあって、これこそ本当のダービーでした。しかし、カールスルーエが2部に落ちてしまって8、9年間昇格できなかったために、それほど回数は多くできませんでした。ですが、回数は多くなくても、地元のサポーターが年間を通して待ち遠しく思っているダービーマッチでした。それ以外にも、ハンブルク対サンクトパウリというダービーがあり、サンクトパウリも下に落ちてしまったために公式戦では実現されていませんが、両クラブは地理的にも非常に近い存在で、これこそ本当のダービーと言えるのではないでしょうか。他にもボルシア・ドルトムント対シャルケはすごく有名ですし、ボーフムも近い町ですから、ボーフム対シャルケ、ボーフム対ドルトムントというダービーもあります。こういった伝統的なダービーは地元のサポーターが本当に待ち遠しくて仕方なく思っているとても大切な試合です。
シュツットガルトの話に戻りますが、彼らは毎年のようにフライブルクの3倍、4倍の年間予算を持っていました。しかし、だからと言って、当時私が引き受けていたフライブルクと大宮を比較することはできないと思います。浦和が大宮の4倍5倍の予算というわけではありませんし、プレースタイルも違います。
フライブルクはホームでもアウェイでも必ず攻撃的なサッカーをしていました。
自分たちが仕掛けていく主体的なサッカーをしていました。しかし大宮はまず守備を固めて、そこからカウンターを繰り出してくるチームです。まったく違うサッカーを実践していると思いますし、大宮の監督も『サッカーとはまず走ることだ』と公言しているそうですから、豊富な運動量をもとに非常に守備的なサッカーをして、そこからカウンターで攻撃をするというチームですので、ドイツで私が率いていたチームと比較することはできないと思っています」
(思い出深いダービーマッチは?)
「ドイツでのダービーについてはとてもよく覚えています。私がよく覚えていて、そしてもっともうれしかったダービーというのが、当時下から上がってきたばかりでとても小さなクラブだったFCフライブルクが、残り3節を残した時点で降格は確実だと言われていたときのことです。
降格ラインを抜けるにはまだ5ポイントが必要で、当時はまだ勝ち点が2の時代でした。このような非常に厳しい状態の中でアウェイでシュツットガルト戦に臨みました。これはとても有名なバーデンヴュルテンベルグ州でのダービーです。
このとき、シュツットガルトは勝ち点1を得ればヨーロッパカップに出場できる状況でした。さらに当時は有名な代表選手も所属していましたし、経験豊富な選手もたくさんいました。ですから私たちのとても若い選手にしてみればアウェイのこの試合で3-0の勝利を収めることができたのは非常にいい経験になりました。この話の続きですが、残りの2試合も勝ち点2を収めることができ、奇跡的な形で残留をすることができました。
これは有名なゴリア(巨人)とダヴィデ(小柄な人)という話になりますが、こちらの方がダヴィデとしてこのようなダービーに臨むのは非常に楽しいことですし、できる限りいい結果を残すために何ができるかなど、いろいろなことを考えます。しかし、やはり最終的には地力に勝る巨人が小柄な人を踏みつぶしてしまうこともあり得ます。そしてありがちなケースとしては、巨人がいつまでも巨人であるためには、たくさんのお金を払って、有力な選手をどんどん買い取ってしまうことです。彼らはそれだけの予算を持っているわけですから。私は長年にわたってそのような経験をしてきましたし、せっかく育て上げた有力な選手が他のクラブに移籍してしまうことにはフラストレーションを感じることもありましたが、無名な選手を発掘してくる、若手の選手を育てることに大きな喜びを感じていました。
ですから私は日本に来て山田直輝のような非常に若い選手が実力を伸ばして成長していることに関しては、とても大きな喜びを感じています。
初めてこのクラブの方と私が会ったときにはっきりと言われたのは、今年は改革の年であるということです。そして今までのように完成された選手に対して、高いお金を払って外部から移籍させてくるという形ではなく、今後は自分たちでも選手を育成していきたいということをはっきりと言われました。
もちろん、今、クラブの役員が変わったということはありますが、私はそのような話があったからこそここに来ようと思ったわけですし、実際にクラブは今でも、今後もしっかりと選手を育成していくという方針を持っていると考えています。
しかし忘れてはならないのは、この業界で経験を持っている方ならば誰にでもお分かりいただけると思いますが、若手の方が年上の選手よりもたくさんのミスを犯すということです。それでも選手たちはミスをすることでさまざまな経験ができるわけですし、そこから成長できるわけです。若手の選手はどうしてもたくさんのミスをしてしまう。しかし、だからといって試合に出さないということになれば彼らは育ちません。ですから監督としてはそのようなミスが起きることを分かっていながらも積極的に若手を使っていかないと、なかなか彼らの成長に貢献することはできないのではと思っています。もちろん他のクラブの方が、順位表によるさまざまなプレッシャーであるとか、どうしても敗戦はしてはいけないとか、さまざまな状況からミスをする可能性が低い年上の選手たちを起用しようとするのは理解できます。しかし選手たちを育成したいというしっかりとした考えを持っているからこそ、選手たちにどんどん機会を与えて、ミスをしたとしても、そこから学べるような状況を作り上げなければいけないと思います」
(リーグ戦で初めて出場停止の選手が出た。他のチームと比べても、警告数が少ないというわけではない。警告を受けないようになど、監督は選手に何か言っているのか?)
「統計を調べて、私たちのチームが比較的多くのイエローカードをもらっているということは、私も確認していました。あまり大きな声で私たちの選手がもらった各イエローカードについて、ここでコメントしたくはありませんが、ガンバ戦で直輝がもらった4枚目のイエローカードは、遠藤選手へのファウル後にもらっているが、映像で確認すると直輝は遠藤選手のことを触ってはいません。直輝に押されたかどうか、遠藤選手に確認してみてください。
ですので、あのような形でイエローカードをもらってしまうと、私としても選手に注意しようがありません。本当ならば、イエローカードをもらわないはずのシチュエーションだったからです」
(山田直輝の4枚目の警告は、公式記録では遅延行為となっていたが?)
「その日本語の資料を読んだわけではありませんので、なぜイエローカードが出たかをここでお話しすることはできませんが、自分が映像で見た限りは、遠藤選手が倒れた後に直輝は自分は倒していないとアピールしてすぐにイエローカードが出ていました。なので、どの行為に対してイエローカードが出たかに関しては分かりませんし、公の場でこの国の審判のパフォーマンスについて討論するのは避けたいと思います。特に主審がらみのお話に関しては、これで終わりにしたいと思います」
(審判ではなく、異議などの選手の行動に関しては?)
「そのテーマについてお話しするには、私はさらに日本のことについて知らなくてはいけませんし、もう少し日本のピッチで起きていることを詳しく、細かく観察してからにしたいと思います。なぜなら、ここでの笛の吹き方は、ヨーロッパとはまったく違うわけですし、実際にピッチ上で起きていることも違います。
ただ、私の考えとしては、サッカーにはそれぞれの選手のエモーションが必須だと思いますし、それがサッカーの一部だと思います。エモーショナルな面があるからこそ、サッカーというのは非常に興味深いスポーツになっているのではないでしょうか。選手たちはロボットではありませんし、そのような感情をすべて抑えることができるわけではありません。ピッチの上に立って、そこで何かが起きたときに感情を見せることは、ある意味では当たり前のことだと思います。もちろん、アンフェアな行為を認めるわけではありませんし、そういうことは一切起きてはいけないと思います。
しかし、ピッチ上で選手たちに感情を表すことを禁止するわけにはいきませんし、そのようなことをしてしまったら、選手たちは毎晩家に帰ってから、家の中で一番硬い壁を見つけて、その壁に向かって頭突きをすることでしょう。そうでないと、彼らは感情を外に出すことができないからです。
私たちの選手は、しっかりとした規律を持った選手だと思っていますし、非常に失礼な態度を取ったことでたくさんのイエローカードをもらったわけでもないと思います。ですから、そのことに関しても、ここではっきりとお伝えしたいのですが、私は選手たちを信用していますし、彼らの態度が悪かったということも一切ないと思っています」
(今日のトレーニングでは主力組と目されるチームに高原が入っていたが?)
「私たちの選手がすべて復帰していれば、7、8人の選手が3~4のポジションでプレーすることができますから、オプションが増えることは確かです。
しかし、数人の選手が離脱している状況ですし、高原直泰という選手は私たちにとって非常に大切な攻撃のオプションの1人であります。実際に高原は準備期間に非常に優れたプレーを見せていたと思いますし、それもあって開幕戦ではスタメンで出ていたわけです。その後、彼のプレーがベストでなかったということは、皆さんご覧になっていたと思います。ベストなコンディションではなかったから、彼はここ最近の試合ではスタメンに入っていなかったわけです。しかし、それでも彼は比較的長い時間ピッチに立っていましたし、彼がピッチに立っていたときにはできる限りチームに貢献しようと高原が努力していたのは皆さん見ていると思います。ですので、私が考えているのは、高原は大切なオプションの1人ですし、次の試合に関して詳しく言うことはしませんが、私の構想の中に入っている選手であることは間違いありません。
これは、すべてのオプションについて言えることです。例えば、山田直輝。
彼は最初の3試合スタメンに入っていませんでした。しかし、その後スタメンで出るようになって、もう代表選手になってしまいました。この業界ではさまざまなことがすぐに起きてしまいますし、何が起きるか分からない状態です。いい方向にも悪い方向にもいくわけです。ですから、1人の選手の状態をとって、数週間前がこうだったから、今後必ずこうなるといったことが言えるわけではありません。
例えばエジミウソンは、準備期間に非常に苦しんでいた選手です。その期間は持久力を高めるためのトレーニングが多く、彼にとっては非常につらかったかもしれません。そして、彼は開幕戦ではスタメンとしてピッチに立ってはいませんでした。
それでも、彼はトレーニングに素晴らしい取り組みを見せて、今とても大切な主力級の選手になっているわけです。やはりチームというものは生き物だと思いますし、どんどんどんどん各選手の状況は変わっていきますので、今こういう状況だから明日以降こうなるということは断言できないと思います」
(山田直輝の代表入りを聞いたときの印象は?)
「私は彼が招集されたことに関しては、驚いていませんでした。なぜなら、数日前に呼ばれる可能性があると別のところで聞いていたからです。
私はこの件に関しては、今、公の場で大きくお話ししたくはありません。
唯一言えることは、彼が私たちのチーム、そして私たちのプレースタイルにとても合っている選手であり、非常に大切な選手であるということです。実際に、私たちのチームの中で価値のある仕事を試合で必ずやっていたと思います。
今後も、長期的に見て彼が非常に優れた選手に成長していくことは間違いないと思っています。
しかし、ここ2日間の新聞報道を見ると分かるように、1人の選手が調子がいい、もしくは成功すると、生みの親というのがなぜがたくさん生まれてくるわけです。あちらこちらで、いろんな方が手を挙げて、私が彼を発掘した、育てたということを言います。これだけたくさんの生みの親がいれば、メディアで彼についてお話しする必要はないと思っています。昔から有名な役割分担ですが、成功している選手に関してはたくさんの生みの親がいますので、私はもう心配する必要はないと思っています。監督というのは成功していない選手のことを考えて、いろいろと仕事をしなくてはいけません。
私にはまだたくさんの仕事が残されています(笑)」
(直輝や原口がメディアで取りざたされることへの心配は依然として強い?)
「現在、私はこの国にゲストとして来ている状態ですので、公の場でそういったことを今はお話ししないつもりですので、そのことについてはご理解いただきたいです。一度、私はある若手選手にメディアとあまり話をしない方がいいのではないかということを話しましたが、そのときに一部のメディアからは非常に厳しい報道がありました。私に対して、彼らが注意をするような記事がいくつかありました。ですので、そのテーマについては、ここでこれ以上はお話ししたくはありません。ただ、外部から来た人間として今の報道を見ていると、7、8週間前には原口元気がスーパースターとして非常に大きく取り上げられていましたが、それが今は山田直輝になっています。もしかしたら、数週間後にはまた別の『顔』になっているかもしれません。このローテーションに私の方でもしっかり対応できるように、新しい選手を皆さんにお見せしたいと思っています(笑)。
また次の若い選手が来れば、私たちのチームにとっても、そう悪くないシグナルではないでしょうか」
(次の試合はアウェイ扱いの埼スタだが?)
「私はやはりよく知っている、慣れている環境で仕事をするというのはとても大切だと思っています。いつも使っているスタジアムで試合ができるということについては、たくさんの私たちのサポーターが来るということもありますので、大きな喜びを感じています。しかし、小さなスタジアムというのもそれなりに魅力はあるのではないでしょうか。浦和のもう一つのスタジアムというのは、私はまだ試合をやったことがありませんが、そのスタジアムがあるということも聞いていますし、実際にシーズン前の準備期間にもトレーニングマッチで大宮のスタジアムで試合をやっています。ピッチと観客の距離が近いですし、そのような小さなスタジアムの素晴らしさというのもあると思います。
もちろん私たちのスタジアム、とても大きな素晴らしいスタジアムでプレーができることについてはうれしいですし、今週末の試合については、私たちだけではなく、大宮の選手も大きな喜びを感じているのではないでしょうか。あのようなたくさんの観客の前でプレーすることは彼らにとっても大きな刺激になるのではないでしょうか」
(浦和の街と大宮の街、それぞれにどのような印象を抱いたか?)
「私は大宮で行なわれた試合を観戦したことがあります。大宮対清水の試合を観戦しましたが、小さな素晴らしいスタジアムだと思いました。
大宮のサポーターも熱狂的で一生懸命チームを応援していたのが印象に残っています。あのような小さなスタジアムですが、小さなスタジアムの魅力というのもたくさんあると思います。ピッチと近いわけですし、場合によってはサポーターの皆さんが、ピッチ上で選手たちが何を話しているかを聞くこともできます。
私はドイツにいたときからそのような小さなスタジアムの魅力を感じていましたし、自分たちもそのようなスタジアムでプレーをしていましたが、陸上競技バーンがないスタジアムでサッカーをするというのは選手たちにとっても素晴らしいことだと思います。観客と選手たちが一体化するということについては、小さなスタジアムでも非常に素晴らしいものがあるのではないでしょうか」
(それぞれの街自体については?)
「もう少し時間をください(笑)。公の場で大宮と浦和について比較ができるようになるほど、そこまで詳しくはありませんのでもう少し時間をいただきたいと思います」

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