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2009年07月11日

09.07.10 Jリーグ第17節前日 フィンケ監督

09.07.10 Jリーグ第17節前日 フィンケ監督

フォルカー・フィンケ監督 2009シーズンJリーグ第17節サンフレッチェ広島戦 前日のコメント

「明日は第17節ということで、これでリーグですべてのチームと対戦することになります。この第17節でももちろん、私たちは勝ち点3を取りたいと思っています。そのためには、90分間を通してとても高い集中力でのプレー、とても優れたプレーをしなくてはいけないと私は考えています。
台所事情が厳しいという現実は相変わらずで、変わってはいません。みなさんご存知のように田中達也、梅崎司は長期にわたって離脱しています。それ以外にもたくさんの選手たちがケガで実際に試合に出られない状況ですが、それに加えて細貝が出場停止で試合に出ることはできません。山田直輝も今週末の試合には出場できないという状況になっています。
また、原口元気については、私たちのドクターともしっかりとした話し合いをしまして、現時点では今週末の試合に出場できることになっていますが、相変わらず膝の痛みは残っている状態で、いくつかの動作によっては痛みを感じるところが残っています。ただし、坪井慶介が戻ってくることができましたので、それはとても喜ばしいことです。
昨日の練習では、本当に久しぶりに11対11のゲームをすることができました。しかし、今は夏の非常に暑い期間で、25日間で合計6試合という、非常に厳しい日程が続くこととなります。ですから、私たちも選手たちにどのような負荷をかけるかということについて考えなければいけませんし、選手がどのような状況にあるかを見極めなければなりません。今日の練習でもそうでしたが、選手たちをいくつかのグループに分け、各グループに合わせた練習、負荷を与えることがとても大切になると思います。
今シーズンがはじまってから公式戦を23、4試合こなしています。これはリーグ戦だけではなくカップ戦も含めた数字です。しかし、この間に選手たちにしっかりとした回復期間を与えられる状況ではありませんでした。ヨーロッパ、特にドイツでは17節を終えた時点で、カップ戦を含めたとしても約20試合をこなしたところで、3週間の中断期間に入ります。この3週間の冬のブレイクを利用して、選手たちのケガを治したり回復を図ったりすることができるわけです。
しかし、この国の日程ではそのようなことはできない状態ですので、日々の練習での負荷をこちらでうまく調整して、この連戦をしのがなくてはならないと思っています。このような日程だからこそ、選手たちに正しい負荷を与えたいと思いますし、そのためにいくつかのグループに分けて練習することが何度も何度もあるわけです。
もっとも、次の対戦相手もヤマザキナビスコカップ予選リーグに出場していますし、ここまでまったく同じような日程をこなしてきてるわけですので、彼らも同じような問題を抱えているのではないでしょうか」

(今日の練習では、坪井慶介は負荷が軽いグループでのメニューをこなした後に、別のグループに入ってゲームに出場していたが?)
「とても興味深い質問だと思います。伝統的には、監督がすべての練習メニューを決めて、どの選手をどのグループに入れ、どのような負荷を与えるかを決めています。選手が自ら希望して、そのグループから他に移るということはありません。今日の坪井に関しては、私が彼を見たかったからです。ゲーム形式の練習に彼を参加させることによって、彼の状態をもう一度確認したいと考えていました。彼は軽いケガによってずっと離脱していましたから、3分間でも4分間でもゲーム形式の練習に参加させることで、彼の動き・彼の状態がどうなのかを確認したかったわけです。
そして、坪井を参加させた代わりに山田暢久を休ませました。山田暢久はその前の試合が出場停止でしたから、しっかり休んで回復メニューをこなすこともできていました。その分、今週に入ってからは少し高めの負荷を与えていましたので、それでツボと交代させました。
今日のことに関しては、私が坪井のプレーを見たかったというだけですので、選手が自ら決めたこと、希望してきたことでは一切ありません。そして、坪井がそのゲームで見せたプレーはよかったですから、明日、彼の筋力・体があまりうれしくない反応を見せなければ、『とてもポジティブな週だっだ』と言えることになると思います」
(山田直輝の再検査の結果は?)
「ここ数日間、私たちのドクターを中心にさまざまな検査が行なわれ、現時点では、山田直輝には背中の痛みがあります。この国でもヨーロッパと同じく、ドクターには情報を外部に漏らしてはならないという決まりがあります。医師は患者がどのような状態にあるかを第三者に伝えることは、なかなかできません。ですので、私としても、ここであまり細かいことはお話ししたくないと思っています。
ただし、山田直輝はシーズンがはじまってからたくさんの試合に出場し、ほぼすべての練習をこなしてきました。だからこそ、さまざまな負荷が体にかかっていたのかもしれません。ドクターたちとも話し合いをして、現時点では1週間もしくは2週間休ませた方がいいのではないかという状況になっています。
ここで私から、みなさんに対してのお願いがあります。今後、私たちのメディカル部門についてや選手のケガについて記事を書かれるときには、フェアな形での報道をお願いしたいと思っています。というのも、数日前の直輝のケガについてのいくつかの報道で、『原因不明の』という書かれ方をしています。ニュアンス的には、私たちのメディカル部門が原因を突き止めることができないために外部に依頼するということが書かれていました。しかし、それはまったく事実ではありません。私たちのドクターとトレーナーは非常に優れた仕事をしていますし、この国でも非常に認められている専門家です。
ですから、彼らに対してもっとフェアな態度での報道をお願いしたいです。私たちのドクターが原因を見つけることができなかったから、外部の助けを必要としたというのは間違いです。ただし、優れたメディカル部門が外部の専門家と共にさまざまな検査をするのはよくあることですし、共同作業というのはとても大切なことだと思います。私たちのメディカル部門が非常に優れているということは、ここで断言したいと思いますし、みなさまにはそのことをご理解いただき、今後は選手のケガについて報道されるときには、私たちのメディカル部門が優れた仕事をしていながらも、現在はこういう状況になっているということをご理解いただきたいと思います。
私はひとりの監督として、選手の体について責任を持たなくてはいけないと思っています。みなさん是非、山田直輝の状況を見つめ直してみてください。彼は今年になってはじめて定期的にJリーグの試合に出るようになりました。そして、いつの間にか日本代表の選手になって、オールスターチームにも選ばれるまでになりました。彼はまだ18歳です。18歳の体がこの短い期間で、代表選出などのさまざまな負荷にどうやったら耐えられるのでしょうか?私はひとりの監督として非常に心配しておりますし、彼に対して責任のある決断と行動をしていかないといけないと思っています。みなさんにも18歳のときがあったと思います。そのときの体の状態を思い出してみてください。18歳の体がどこまで耐えられるのか。しかも、たった4ヵ月間という短い期間にさまざまなことがあって、たくさんの負荷がかかったわけです。そのような状況になると、私はひとりの監督として、彼に休みを与えるかもしれません。公式戦に出さないことになるかもしれません。そういったときに、『監督が山田直輝に駄目出しをした』などと大きく報道しないでください。
なぜなら、私は選手を守るために、決断をするからです。もちろん彼が試合に出て優れたプレーをすることは、大切なことだと思います。しかし、同じように、正しいタイミングで彼に休息を与えることも大切だと思います。私は責任をもって、彼の今後の成長のためになることを考えていきたいと思います。話をまとめますと、大切なのは選手の成長ですし、その一環として選手を休ませるときもある、ということです。目標はひとりの選手が継続的に成長することだと思います。そして、浦和レッズのため、日本代表のため、いつかはオールスターのために彼がしっかりとしたプレーをする。ステップ・バイ・ステップでこの道を進んでいくべきだと思います。(メディアに)新しい選手を求める非常に強い気持ちが存在するのは分かりますが、そのときに忘れてはならないのは、その選手がその時点でどういった状況にあるか見極めることだと思います。そして、焦ることは彼にとってもよくないことです。もっとも、私はメディアのみなさんを強く批判したいわけではありませんので、念のため今のうちに謝っておきます」
(次節の対戦相手のサンフレッチェ広島は自分たちのスタイルというものを持っているチームだが?)
「私たちとしては、相手のプレースタイルに合わせるという考えは一切ありません。私たちが今まで貫いてきたやり方というのがありますので、明日の試合でもそれを実践したいと思います。そのために大切なのは、できる限り自分たちでボールを回して、ゲームをコントロールすることだと思います。ただし、その際に考えなくてはいけないのは、現在のこの気候です。やはり、ただただ走るだけでは足りないと思います。リズムを変えていくこともとても大切ですし、私たち自らが試合のテンポを決めていかなくてはなりません。もちろん、走る量、走りの質、ボールのないところでの動き、チームの各パーツが共同作業をすることが大切だと思います。
しかし、サンフレッチェ広島というのは、非常に興味深いチームですし、J2から昇格してきたチームとしては非常に魅力的で素晴らしいサッカーをしていると思います。広島のサッカーは、例えば前にボールを蹴り出して他の選手がセカンドボール、サードボールを拾うサッカーではないですし、ゴールキーパーが背の高いセンターフォワードめがけてロングボールを蹴って、センターフォワードがそれをヘディングして誰かがそのボールを拾うというスタイルでもありません。しっかりと後ろからゲームを組み立てていく、ボールを回して選手たちも動いて、互いに連動しながらゴールを狙っていくチームだと思います。これは、『魅力』ということを考えたとき、やはりとても大切なことだと思います。実際によくあるやり方として、数回ボールを回した後にロングボールを蹴ってしまうやり方がありますが、広島はしっかりとビルドアップしてゴールを狙ってきます。
もちろん、ロングボールを蹴ることもサッカーのひとつの要素ですし、それを忘れてはなりません。ロングボールを否定するわけでもありません。ただ、毎回毎回ロングボールを蹴るというのは、私たちのスタイルではありません。例えば、日本代表がオーストラリア代表相手に何度も何度もロングボールを蹴ったとしたら、それはベストな選択ではないと思います。私たちがとても大切にしているのは、ゲームを作りあげるとき、正しいタイミングでロングボールを蹴ることです」

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