2009年07月17日
09.07.17 Jリーグ第18節前日 フィンケ監督
09.07.17 Jリーグ第18節前日 フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 2009シーズンJリーグ第18節大分トリニータ戦 前日のコメント
「とても練習の回数が多い週と言うことはできません。数日前に公式戦があったからです。うれしいことに新しいケガ人は出ていません。このような非常に短い週だったので、私たちにとってはどの選手が前回の試合からしっかりと回復をすることができたのか、それがとても大切なことでした。そして実際に前回、軽いケガをした鈴木啓太に関しては、非常に回復がよかったので、次の大分戦には帯同することができます。しかし、残念ながら坪井慶介、山田直輝についてはまだまだ思わしくない状況ですので大分に行くことはありません。非常に高い確率で次の皆さんの質問が分かりますので、今のうちにお答えしておきます。
大分の現状というのは、私たちにとっては非常に難しい状況だと思います。なぜかというと、新しい監督が就任したからです。大分のチームのことは皆さんもご存じだと思いますが、昨年、非常にいい結果を残し、成功を収めたチームです。今シーズンに入ってからは確かに敗戦が続いていましたが、それでも試合内容はそう悪いものではありませんでした。相手と同じように優れたパフォーマンスを見せて最終的に勝ち点3を得ることができなかったという試合が非常に多かったです。その証拠として、大差で負けることは滅多になく、わずか1点差で負けていることが多いです。そこに新しい監督が就任したということで、新しい刺激があるかもしれませんし、私たちにしてみればこの時期に大分と試合をするというのは非常に難しいことだと思います。そして私たちは選手の体調面というのをしっかり考えないといけないと思います。なぜかというと、運動量を求められるサッカーだと、1週間で3試合をやる、さらにこの気候を考えると選手たちにとってはとても厳しいことになるかもしれないからです。ですからしっかりとした回復を行いたいですし、正直、今回の試合に関しては大分の方にメリットがあると思います。彼らは数日前に試合をする必要がなかったからです」
(大分トリニータのランコ・ポポヴィッチ新監督との面識は)
「彼のことはまったく知りません。彼はドイツで仕事をしたことがありませんし、彼の名前は聞いたことがありますし、オーストリアで仕事をしていたことも知っていますが、それ以上はありません」
(スタジアムの芝がやりにくい状況であることも予想されるが)
「まず、サッカーができないほどひどい状況ではないと思っています。あのスタジアムで芝生の状況がどのようなものであるかについて私は興味があります。もし通常のグラウンダーのパスが通らないほどひどい状況である場合はもちろん、長いボールを蹴る回数が少し増えるかもしれません。ここ20年間、ヨーロッパでは似たような質問を受けていました。ドイツでもアウェイの試合のときに、スタジアムの状況が思わしくない、それならば通常のシュートパスをつなぐサッカーではなく、もっと早いタイミングで前線にローグボールを蹴った方がいいのではという質問を受けていました。そのときに私が答えていたのは、アフリカやブラジル育ちの選手を見てみてください、ということです。彼らは世界中を見渡してももっとも優れた、ショートパスを使ったサッカーをすることができます。
しかし、アフリカやブラジルのピッチ状況を考えるとこの国のものとは比べものにならないほどひどい。通常のこの国で育った人間なら、サッカーなどできないのではないかと思ってしまう環境でも彼らは普通にサッカーをしています。そして世界的に見てももっとも優れた技術を持っている。これがサッカーの現実です。ですから芝生が悪いからとって、ショートパスを放棄するというのはまず、ないと思います。子供のころからとてもきれいに整備された芝生の上のみで練習をしていた選手よりは、とてもひどい状況のピッチ、環境で練習をしてきた子供たちの方が優れた技術を身につけているケースは多いです」
(スタジアムの暑さについては)
「いつもお答えしていることですが、対戦相手についても環境は同じです。もちろん気温だけではなく、整備されていない芝生についても同じだと思います。ですから私たちの方からそのような環境だからといって、特別なことをするようなことはまずないでしょう。そして選手と話すときには私はこのようなことを言うでしょう。
『対戦相手にとってもこの状況はまったく同じである』と。同じ状況のもとでプレーをしているんだということを彼らにもはっきり伝えると思います」
(ガーナ人練習生についてはどう見ているか)
「まだあまり細かいことをお話しすることはできませんし、正直、数日しか見ていないので、皆さんの前で新しい情報をお伝えすることはできません。ここではなぜ、アフリカ人の若い選手を見るべきなのかということについて考えたいと思います。アフリカ出身の選手、特に西アフリカ出身の選手は、私たちヨーロッパ人もしくは日本人でもなかなか持っていない素質を持っています。それは練習をすることによって身につけられるものではありません。それは、生まれ持ったとても優れた瞬発力だと思います。この瞬発力というのはアフリカ人が非常に優れています。
もちろんサッカーというのは瞬発力だけではないので、彼らの持っているスピードに加えて、優れたサッカーをすることができれば、優れたサッカー選手になれるということはお分かりになると思います。このような素質を持っているからこそ、私たちは今後も西アフリカの選手をしっかりと見ていきたいと思います。
そして、Jリーグの規定を見ると、育成枠というものが存在しているわけですし、育成枠で取ってくる選手というのはそれほど高いお金はかかりません。少なくとも1人の外国人でこの育成枠を埋めることはできるわけですから、私たちとしてもこの枠を有効化していきたいと思っています。すでに完成された外国人選手を、高いお金をかけて獲得してくると、すぐに優れたパフォーマンスを見せてほしいと期待されてしまうわけです。しかし、そのような選手を獲得してくるのではなく、育成枠を使って、才能のある将来性にあふれた1人の外国人選手を連れて来て、すでに所属している18歳の選手たちと同じように育てていくという考えがあってもいいのではないでしょうか。
実際に、例えばフランスでは十数年前から、アフリカからこのような形で選手を獲得してきて、フランス国内で育成してきました。国営育成センターというものが存在していて、16歳から18歳の選手を連れて来て、そこで育て上げてきたのです。ですからフランスの代表チームも長い間とてもいい結果を残すことができているわけです。もちろんこれは育成枠ですのでそれほどお金がかかるわけではありませんし、彼らが稼ぐことのできるお金というのもご存じのとおり、非常に少ない金額です。今すぐ、即戦力になるということではなく、彼らを獲得して育てて1年もしくは2年後に主力選手として活躍できるようになれば、という考えを持って、この育成枠を利用するのです。
しかし、場合によっては18歳の選手がすぐに主力選手としてチームのために価値ある仕事をしてくれることもあるわけです。それは原口元気もそうですし、山田直輝もそうです。あるいは19歳になった高橋峻希もそうです」
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