2009年08月01日
09.08.01 Jリーグ第20節前日 フィンケ監督
09.08.01 Jリーグ第20節前日 フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 2009シーズンJリーグ第20節清水エスパルス戦 前日のコメント
「非常に短い期間でまた清水エスパルスと対戦することになりました。これで3回目です。(過去2戦は)勝利、敗戦と来てますので、次に勝利となれば、私たちにとっては非常にうれしいことになります。勝ち点3という結果を収めることができれば、安心して中断期間に入ることができます。そして、中断期間に何人かのケガ人がまた復帰することになると思いますので、また新しい力を蓄えて中断期間以降の試合に臨むことができると思います。
一つ嬉しいことですが、明日、平川忠亮がメンバー入りすることになりました。そして、現時点での様子を見る限り、梅崎司は手術をして本当によかったと思っています。徐々に回復してきていますし、中断期間以降の試合に彼が帯同できるようになるのではないでしょうか。中断期間以降は闘莉王も合流するでしょうし、そうすれば、台所事情もそれほど厳しくはないものになりますので、またさまざまな選手を試合で使うことができるようになってくると思います。
また、ロブソン・ポンテは部分的にしか練習に合流できていません。これは、試合にも同じことが言えると思います。現時点ではケガの影響もあって、90分フル出場できるような状態ではありません。コンディションを取り戻そうとしている状態ですから、部分的な形で試合に出ることになると思います。それがスタメンになるのか途中出場になるのかは、今ここでお話しすることはできませんが、フル出場ということは考えていません。
この3日間を利用して選手たちと話し合ったことがあります。それは、前回の試合と同じように、相手のゴールをこちら側が用意することはないということ、その確認をしました。私たちが作り出した得点チャンスを今度こそしっかりとゴールに結び付けないといけないと思っています。前回の試合でも、私たちはたくさんの決定機を作っていますが得点に結び付けることができなかった。同じように、コーナーキックからも得点チャンスが生まれていたと思いますので、これをゴールにつなげて結果を残したいと思います」
(都築龍太はコンディションの問題でベンチということだったが、現在のコンディションは?)
「答えはシンプルです。今から3週間前に私は2人のGKと話し合いをしました。
そのときに、『これから3試合後にまた話し合いを行なう』ということも伝えました。それから実際に3試合が行なわれて、2回目の話し合いももう行なわれました。都築にとっては、このような形で与えられた回復期間がいい効果を表したと思います。ここ3試合で山岸範宏が大きなミスを犯したということは一切ないのですが、次の試合では都築が再びゴールマウスに立つことになります。
3週間前の決断のときには、都築がとても素晴らしい姿勢を見せて、私がこの決断を伝えた際にもそれをリスペクトして、しっかりと毎日の練習に励んでくれました。そして、昨日の話し合いでは、山岸に今回の決断を伝えたときには、彼もそれを尊重してくれました。私は非常にレベルの高い2人の優れたGKがこのチームに所属していることを、とてもうれしく思っています」
(都築のコンディションはケガだったのか?)
「違うと思います。ケガではなく、彼が長い間代表に行っていたことに原因があると思います。彼は4週間弱代表に行ったわけですが、1試合もすることなく戻ってきました。その間のナビスコカップで私たちは平均年齢が非常に若いチームで試合に臨んだわけですが、山岸は本当に素晴らしいプレーを見せてくれました。私たちはそのような結果を残すことができていたので、ナビスコカップの後に先ほど話したような話し合いをすることができたわけです。
ですので、都築の場合はケガということではなく、試合に出ていないためにコンディションを落としてしまったということがあったと思います。実際に、都築が代表から戻ってきて横浜F・マリノス戦がありましたけれど、その試合で私たちは敗戦してしまいました。もちろん、その敗戦の理由が都築にあったということではありません。ただ、だんだんとコンディションが悪くなっているというところが見えましたので、3週間前にあの決断を下したわけです。しかし、今シーズン私たちがナビスコカップでここ数年にくらべて非常に優れた結果を残した事実は残っていますし、これは皆さんも把握していることだと思います。
都築は今回私から与えられた回復期間を彼はしっかりと使い、素晴らしい姿勢で練習をしていましたし、新しい目標に集中することができていました。それによって、また優れた準備をすることができました。この業界ではよく行なわれることですが、意図的な回復期間を与えることで、選手のコンディションを整えることは過去に何度も何度もあったケースです。
長年浦和レッズを見ている人ならば、2人の実力、2人の関係がどのようなものであるかはよくご存じだと思いますが、都築が代表から戻ってきて出場した2試合での失点をご覧になってみてください。都築は優れたプレーをしていたとは言えないと思います。それは、実力ではなくコンディションの問題です。ここ数年間、山岸と都築は非常に高いレベルで競い合っていて、私より以前にこのクラブにいた監督も何度かGKを代えたことも、皆さんご存じだと思います。今回の件に関しましても、大きな問題があったわけではありませんし、このテーマで大きな記事が書けるようなものではないと思います。単純にコンディションの問題、それが唯一の問題だと思います。
私たちのチームのすべてのポジションにおいて、GKと同様にレベルの高い競い合いがなされれば、本当にチームの状況は素晴らしいものだと思います」
(3連敗中だが、連敗を脱出するいい方法は?)
「このような状況の中でできること、選手たちに伝えることはいくつかあります。ただ、今回私たちが置かれている状況で興味深いのは、ここ3試合が非常に短い期間で行なわれたということです。このような結果は、あることを証明していると思います。チームに所属している選手の全員が8日間で3試合という非常にハードなスケジュールをこなすことができるほどの体力は持っているわけではないということです。8日間で3試合というのは非常に大きな体力的な負担だと思います。
そして、大切なのはこのように連敗が続いている状況で、選手たちと戦術的な話し合いをすることです。試合を分析して、各ポジションでここがよくなかった、ここが改善できるということを、選手たちにしっかりと指摘することが大切だと思います。戦術的な分析をすること、選手たちと話し合うこと、そして改善すること。この作業がとても大切だと思います。ただ、そのようなことを行なうときには、必ずしも選手全員が話し合いに参加する必要はないと思います。その状況に絡んでいた選手たちだけを集めて話し合い、残りの選手たちは外で通常の練習を行なうこともできると思います。毎回毎回すべての選手を集める必要はありません。
そして、選手たちに自信を与えるということも、とても大切だと思います。例えば、一つのやり方として、過去の映像を使うことができます。似たような状況で、ある選手が6週間前ならゴールを決めていたのに今回は決めることができなかったような場合、過去の映像を見せることによって、『君はこういう状況でこういう結果を残すことができる選手なんだ』と自信を与えることができると思います。
今シーズン、私はこのチームの監督になって、前シーズンのチームをほぼそのまま引き継ぎました。そのメンバーで今年に入ってからまったく違うスタイルのサッカーを行なっているわけです。ですから、正直なところ、私はもっと早くこの『穴』に入ってしまうものだと思っていました。実際は比較的長い間よい結果を残すことができ、この『穴』に入ったのが予想よりも遅くなったこと自体はよかったと思います。そして、『穴』に入るだろうということについては、シーズンはじめの分析が正しかったということの証明だと思います」
(チームの選手全員に8日間で3試合をこなせる体力がないという話があったが、シーズン前の宮崎キャンプではかなりの走り込みも行ない、体力面の準備に関しては監督も手応えを感じていたはずだが?)
「まず基本的に言えることとして、プロの選手として10年間活躍するとしたら、最初の3~5年間でキャリアを通しての土台となる持久力を養うことになります。
これは乳酸や最大酸素摂取量といった科学的なデータで証明できるものです。そして、レベルの高い体力面での強さというものは、長年にわたって養うものです。これは、プロの選手としては当たり前のことだと思います。25歳になるまでは、選手たちの持久力、特にピッチ上での回復力というものは比較的早い段階で改善することができます。
しかし、30歳前後の選手となると、例えばケガで毎日の練習に参加できなかったり持久力を土台とした合宿が行なわれていないなどの理由で、最近2、3年間に起因することで持久力が落ちてしまうこともあります。私は過去一度も次のようなことを言ったことはないと思います。『6 週間の準備期間や10日間の持久力をベースとしたキャンプで、この数年間で落ちてきた体力を完全に元の状態に持っていくことができる』ということを。もちろん、あのようなキャンプで持久力を短期的に改善することはできます。持久力をプッシュする形になるわけですが、それはあくまで短期的なもので、もったとしても12~15試合ぶんでしょう。だからこそ、世界中を見渡しても、どの監督も3~5人の非常に持久力の高い選手をピッチに送り出すわけです。非常に若く、とても早い回復力を持つ選手であったり、長年に渡って持久力をアップすることができた選手、これはもちろん年上の選手ということになりますが、このような選手たちをピッチに立たせます。現時点ではすでに少し遅れているのですが、このような状況だからこそ、私たちはできるだけ早く次のメディカルチェックを行なわなければいけません。
私は中断期間に3日間の体力測定を行なうつもりです。中断期間の後に比較的早い形でまた公式戦がはじまってしまいますので、あまりにも厳しい負荷を与えるわけにはいきません。しかし、体力測定の結果があれば、またすべての選手のデータ、体の状況が把握できますから、それぞれの個人にあった負荷を与えることができます。これが現時点で私がお答えできる答えです。やはり8日間の中で3試合を行なう、しかもたくさんのケガ人が出るというのは、私たちのチームにとっては非常に難しい状況だと思います。
以前ここでもお話ししたことですが、チーム状況の分析において大切なのことの1つは年齢構成だと思います。このチームには22歳から27歳の選手のグループがほぼ存在していません。もちろん数人の選手はいますが、大きなグループではありません。22~27歳の選手というのは、一番、体の強さを発揮できるときです。体の回復力も優れていますし、練習での負荷の結果もすぐにピッチ上で現すことができます。しかし、このチームには28~32歳のグループがあり、もう1つのグループは若手。18歳、19歳、20歳の選手がたくさんいます。年齢構成的にこの22~27歳のグループがほぼ存在しない、『穴』があるということは誰にでも見極めることができると思います。私は試合のときにはいつも、対戦相手のスタメンをしっかりと確認します。そのときに私が見るのは彼らの年齢です。実際にどのチームと対戦しても、22~27歳の選手たちがたくさんピッチに出ています。
そして試合を見ていても、この年齢の選手たちが対戦相手の選手内で最も運動量が豊富な選手たちなのです。一番、体の調子がいいとき、体力的に最も優れているときというのが22~27歳ですが、このような選手たちが対戦相手にはたくさんいて、私たちのチームにはほとんどいないのが現状です。22~27歳という年齢になると、18歳、19歳のときのようなミスは犯しません。さまざまな経験を積んでいるからです。同時に、 30歳の選手ほどには長い回復期間を必要としているわけではありません。すぐ体力を戻すことができます。
もちろん、今このチームに所属している選手たちとできる限り優れた仕事をしたいと思っていますし、このチームを全体として再びいい方向に持っていって、私たちがやろうとしている新しい取り組みが完全に実践できるようになるまでには時間がかかるものなのです。これはこの業界の常識です。2回または3回の長い中断期間を経て、チームは出来上がっていくものだと思います。
今は私がこのチームの監督になった最初の年です。私は年齢によってメンバーを決めるのではなく、彼らのパフォーマンスのみを見ています。しかし、年上の選手の中から、年下の選手の中から、最終的に次の高いレベルのパフォーマンスへ進むことができる選手が誰なのか、しっかりとチョイスしてチームを作り上げていきたいです」
(平川を明日スタメンで起用する可能性は?)
「可能性はあります。彼は復帰から3週間以上練習していると思いますし、スタメンで起用される可能性はあると思います。同様に梅崎もチーム練習に合流していますから、1週間もしくは2週間後の試合のときに、彼がメンバー入りする可能性があります」
(ポンテやセルヒオが出場していない試合では高原直泰がコーナーキックを蹴っているが、ゴール前に配置するのではなくキッカーを任せる理由は?)
「理由はとても簡単なことです。実際に前回の試合でも、とてもいいコーナーキックを彼は蹴っていたと思いますし、彼が蹴ったコーナーキックのうち2回はほぼ100パーセントのチャンスと言えるものでした。
1 度目はエジミウソンと坪井がほぼフリーな状況で、あとはボールに触れば押し込むことができるような状態でした。2度目はエジミウソンがほぼダイレクトで打ったシュートで、あれはほぼゴールという状況だったと思います。相手のGKが非常に優れた反射神経を見せて防がれてしまいましたが。2本とも、彼はとてもいいコーナーキックを蹴っていたと思います。
私たちのチームには何人かヘディングに強い選手がいるわけですが、今、闘莉王がいない状態というのを考えると、やはり頭に浮かぶのは阿部勇樹、そしてエジミウソン、山田暢久、そして優れたジャンプのタイミングを持っている細貝萌。このような選手たちが空中戦に挑むわけです。そのときに大切なのは、誰かが正確なコーナーキックを蹴ることです。私は何度かセルヒオに蹴らせたり、原口元気に蹴らせたりしていましたが、高原の方がいいボールを蹴っていました。もちろん、ポンテがピッチ上にいれば、キッカーはポンテになります」
(価値観の違いかもしれないが、高原をゴール前に置いた方がいいのではないか?)
「高原がコーナーキックからゴールを決めたのを見たことがありますか?私の記憶では、ありません。コーナーキックのときには両方が大切になります。いいボールを蹴れなければ、いくらゴール前にいい選手がいても駄目ですし、いいボールを蹴ることができても、中に決める選手がいなければいけません。両方とも、高い質が必要になるのです」
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